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京都市内の地下鉄駅における地下通路の形態分析

2021年07月30日

京都市内には多くの地下駅が存在している。ほとんどの地下駅において、ホームなど主な駅要素は地下に埋まっていて、最低限の出入口のみが地上に顔を出している。そのため地下駅は駅そのものの形を地上から視覚的に認識するのが困難であり、駅周辺の街との関わりは景観の点で地上駅と比較して希薄であると考えられる。そこで、地下駅について駅周辺地域との関係性を考察するとともに、駅構造を立体的にアーカイブし、地下駅のもつ特性を捉える。
改札までの通路およびコンコースを測量し3Dデータで取り出する。「通路~出口部分(オレンジ色)+コンコース部分緑色」の2つの部分のみに注目する。


改札から地上出口までの水平移動距離をL、改札から地上出口にいたるまでに曲がった角度の合計をΣθとして、LとΣθの散布図を作成した。

LとΣθの散布図を6つの範囲に分類し、それぞれに属する通路をa1~c のタイプと定義した。

a1 =コンコースの真上に近い地上へ出るために、一度折り返すように上る。
a2= コンコースの真上に近い地上へ出るために、何度か折り返して上る。地上出口の設置位置に制約があるため、何度か折り返さなくてはならない。
a3= コンコースの真上に近い地上へ出るために、らせん状に階段を上る。コンコース階と地上の高低差が大きい場合。
b1= コンコースから少し離れた地上の場所へ出るための通路。最短距離で直線的に地上まで続く場合と、少し遠回りに曲がりながら上る場合がある。
b2= コンコースから少し離れた地上の場所へ出るための通路。一度出口の真下まで移動してから、らせん状に上る。車道を挟んで反対側の歩道へ出る場合が多い。
c= コンコースから遠く離れた地点まで続く通路。特定の目的地専用の場合が多い。

どのタイプに属するかによって、地下駅と地上の出入口の間の空間体験の連続性が大きく異なることが予想される。

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