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架構による世界の駅空間の読み解きの試み

2021年07月30日

駅は列車を止めて乗客の乗り降りを行う場所であることから、線路を中心とした細⻑いチューブ状のスペースとなっている。こうした形状からほとんど全ての駅空間が架構の反復と変形によって構成されており、架構タイプがそれぞれの駅を特徴づけている。架構は力の流れであり、ヒューマンスケールのような小さなものから建築のスケール、そして駅のような都市的なスケールまで、同じ考え方によって空間を組み立てることができる。
架構という視点から駅を中心とした空間を読み解きなおし、都市や周辺環境とのインターフェースとして、これからの時代の駅空間に応用できる架構の「かた」をみつけた。

架構によって特異な空間を構成している駅について、できるだけ多様なパターンを得るために、地域(アジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ)と年代(19世紀から現在まで)によるマトリクスによってアーカイブを行う。各架構の基本ユニットについて架構のモデリングを行い、構造システムによっても分類する。
GLから柱なしで接地した、トラスやアーチによって構成されるタイプの採用が多い傾向が見られ、さらに以下の3つの条件を加えることで、駅空間の特徴を抽出した。「部材が分岐すること」「水平材、垂直材をバランスよく持つこと」「変形可能な冗⻑性を持つこと」。

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