スタジオの流れ
スタジオの一年の流れ
このインターカレッジスタジオの一年の流れとしては,4月から7月までに,3回のカンファレンスと2回のハッカソン(小規模なセミナ、分科会)を開催し,事前調査,本調査,かたの設計,かたの適用を発表・ディスカッションする。カンファレンスでは,専門家や研究者によるレクチャを実施する。右側のスタジオの狙いとしましては,下線で引いた部分がこの活動において特徴的だと思います。都市のアーカイブについては、何かをアーカイブする、データベース化する際には、おのずとデータを分類して整理する必要があります。その分類を月並みの分類ではなく,設計・デザインに役立つ方法で分類します。現在の学生が都市生活で実感している,「こう変わったらな」とか「こう変えたらもっとよくなるな」といったデザインする視点で分類することを「かたをデザインする」ことと定義しています。
スタジオの一年の流れ | スタジオのねらい | |||
4月上旬 | カンファレンスI ― スタジオ・キックオフ
公開シンポジウム、リサーチ・レクチャ、アーカイブ対象の分担、調査方法のブレスト、ディスカッション |
アーカイブ対象さがし |
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4月下旬 |
予備調査報告 |
都市のアーカイブ
調査結果をマトリクス、カタログ、テキストで表現する |
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5月下旬 | ハッカソンI ― アーカイブのプレゼンテーション
アーカイブの報告、リサーチ・マテリアルの評価、ディスカッション、かたの企画 |
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6月中旬 | カンファレンスII ― かたのプレゼンテーション
デザイン発表,講評、次フェイズへの接続 |
かたのデザイン
アーカイブ対象を「デザインする」視点で分類し 都市デザインの指針となる方法論を考える |
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7月上旬 | ハッカソンII ― かたのデザイン、都市への適用
かたのデザインのチェック、プレゼンテーション準備 |
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7月中旬 | カンファレンスIII ― 公開プレゼンテーション
会場設営,作品展示、公開講評会、ギャラリートーク |
かたの適用
かたが都市デザインの有効なツールとなるかを検証する |
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9月~2月 | 出版作業、シンポジウム |
スタジオワークの一例
アーカイブからかたの適用までの流れを説明するために、ある年の1チームを例にして説明します。
このチームは大阪府内の駅のキャノピーのデータベースを作ろうと考えました。とくに周辺の小売り事業者数や高齢化比率、駅前広場、都市軸とのズレなどを同時に調べています。
アーカイブの一部です。赤がキャノピー、紫がプラットフォームなどにしセイムスケールのアイソメ図で比較しています。
まちの顔となる駅。駅の屋根・キャノピーは都市の重要な要素であることから、キャノピー面積に対する駅前広場の面積比でキャノピーの形状に傾向はあるのか、
また、駅周辺の高齢者比率によっては、キャノピーのカバー率で住みやすさが決まることも考えられるため、高齢者人口比率との関係で分類を試しています。
府から大阪市に対象を絞り込んで,地域差,路線差に着目し,
最終的に,小売り事業者数、都市軸とのずれに、キャノピーと相関性が見られたので、新たな分類法「かた」をみつけだし、デザインの手法として援用することにしました。
大阪市南部の路線をケーススタディとして、
路線全駅のキャノピーに、小売り事業者率、軸線のズレ、またまちの高齢化率に準じた分類法をつかったデザインを施していくというシンプルな設計を行っています。
こうしてかたを適用した5つの駅がデザインされ直すことで、地域に有効な「かた」に分類し直されたことになります。
これが都市のアーカイブからかたのデザイン,かたの適用の一連の流れです。